犯罪歴や懲戒解雇などからの社会復帰に成功した方の体験談を紹介する「ワケアリ先輩の就活レポ」。
今回は、性犯罪での逮捕から2年以上も就職できず、人生に絶望していた元公務員の20代男性を取り上げます。
どこを受けても採用されず、転職エージェントにすら冷たい対応をされる始末。民間企業への就職経験もなく、「アピールできる材料がない」と完全に自信を失っている状態からのスタートでした。
しかしYOTSUBAの利用をきっかけに、最終的には人気職のキャリアアドバイザーとして未経験就職することに成功しました。
性犯罪歴はとても世間からの風当たりが強く、再就職も簡単にはいきません。しかしきちんと手順を踏み、対策を練った上で就活に臨めば、希望の就職を実現できるということを証明してくれました。
犯罪歴の中でも特に言いづらい退職理由をどのようにして伝えていったのか?
長い空白期間があるにもかかわらず、しっかりと自分の強みをアピールして人気職に就職できた秘訣とは?
再出発の成功例として非常に参考になるケースなので、ぜひ最後までご覧ください。
タップできる目次
性犯罪での逮捕・失職…転職エージェントにすら相手にされない日々
プロフィール |
|
氏名 |
Sさん |
年齢・性別 |
20代男性 |
前職 |
公務員 |
逮捕歴 |
あり |
実名報道 |
あり |
背景 |
性犯罪による逮捕・懲戒免職 |
いわゆる「盗撮行為」で逮捕され、勤務先を懲戒免職になったSさん。しっかりと自分を見つめ直して再出発を目指したものの、世間の厳しさを痛感することとなりました。書類選考は何社受けても通らず、転職エージェントにはあからさまに冷たい態度を取られたこともあったそうです。実名報道されていたことも大きかったのでしょう。性犯罪に対する世間の厳しさを痛感したSさん。次第に就職活動をすること自体が怖くなってしまい、気づけば離職期間は2年以上になっていました。
逮捕歴を開示することへの恐怖…精神的にも不安定な状態に
味方だと思っていた転職エージェントに冷たい対応をされたことで、自信を完全に失ってしまいました。自分の行動の結果とはいえ、支えてくれた人たちへの申し訳なさや先行きに対する不安など、様々な感情に押しつぶされそうになっていました。
「働けるところならどこでも良いから、とにかくこの辛い日々を終わらせたい」と考えるほど追い詰めれていたというSさん。
わずかな希望に頼って転職エージェントを利用したものの、求人紹介を受けるどころかあからさまに冷たい態度を取られてしまいます。
性犯罪での逮捕歴はこんなにも厳しいものなのか…。
心に大きな傷を負ったSさんは、次第に就職活動すること自体が怖くなり、気づけば離職期間は2年を超えてしまいました。
長期化する無職生活に焦り、抜け出せない負のスパイラル…なぜ2年間も就職できなかったのか?
「とにかくどこでもいいから働きたい」。
そんな思いでYOTSUBAの相談に来たSさん。初回面談の中で、この焦る気持ちが就活に失敗する大きな原因であることを知ります。
懲戒解雇をされるとどうしても「早く就職しなければ」と焦り、志望先を絞らずに闇雲に受けてしまいがちです。しかしその焦りは面接官にも見抜かれてしまうため、なかなかいい結果につながらないんです。
「この人は就職先に困って色んな企業を受けているな。うちもその1社だな」というのは面接官にも伝わってしまいます。
その結果、「志望度が低い」と判断されて、就職が決まらない。Sさんはまさにその典型例で、離職期間の長さがゆえに、焦る気持ちに拍車がかかっている状態でした。
そこでまずはすぐに応募することをやめ、「再就職先ではどんな仕事に就きたいのか」「どんなことにやりがいを感じるのか」といった自己分析にフォーカスをし、新たな目標設定をすることから支援をスタートしました。
自分に向いている仕事とは?ツール活用で初めて分かった職業適性と価値観
YOTSUBAのカリキュラムの中で、Sさんにとって特に重要だったのは「目標設定」と「自己分析」です。
ジョブカードを活用したキャリアの棚卸しや面談によるヒヤリング、VPI職業検査などのツールも活用。徹底して自分自身と向き合いました。
自分の性格や過去の経験から、「どこにやりがいを感じ、どんな仕事なら続けやすいのか」ということに気づくことができました。ツールによる検査結果でも「人と関わり、人のためになる仕事」に就きたいという考えをもっているのがハッキリと分かり、職種選びの軸に設定しました。
目標が明確になるにつれ、次第にSさんの表情にも変化が生まれるようになりました。
少しずつ自信を取り戻し、実際に求人情報を調べて応募するステップに進んでいきます。
「模擬面接」を通じて浮き彫りになった大きな課題
公務員だったSさんは、民間企業への就活経験がないという課題もありました。
参考:懲戒免職になった公務員のその後
実際、最初の模擬面接では「良いことを言おう」「自分をアピールしよう」と考えすぎるあまり、受け答えの内容を丸暗記して臨み、自分らしさを全く発揮できないまま終わってしまっていました。
自分の中で転職活動とは「雇ってくれる企業を探す活動」であり、面接は「自分が企業に合う人間だということをアピールする場所」だと思い込んでいました。だからこそ、企業の情報をあらかじめ調べ尽くした上で、企業に合いそうな人物を“演じる“という手法をとっていました。というより、暗い経歴を抱える自分が採用をしてもらうには、こうするしかないと考えていました。しかし、それだと志望動機などに自分らしさが全く入らない上、「演じる」ことによって元々持っている自分の良さを逆に消してしまうのだと教えられ、衝撃を受けました。
聞けばこれまでの全ての面接で、あらかじめ回答を用意した上で臨んでしまっていたとのこと。
もちろん最低限の準備は必要で、企業研究をすることも素晴らしいことです。しかし面接で一番大切なのは、自分らしさを分かってもらうこと。相手に合わせるのではなく、あくまで自分の言葉で強みや志望動機、熱意を伝えることが重要です。
こうした自身のクセや課題を明確にすることができるのも、中長期的なマンツーマンサポートによる大きな利点の一つです。自分一人で就職活動を続けていると、課題に気づくことができず、不採用の原因を「懲戒解雇」などの経歴のせいとして片づけてしまいがち。しかし実際に模擬面接を組んだ上でフィードバックまで受けると、そもそも経歴以前に課題を抱えていることに気づくケースが非常に多いです。
キリオさんからフィードバックでいただいた「用意した答えを言おうとするよりも、普段通りに話したほうが良さが伝わる。『面接官と雑談をするんだ』ぐらいの気持ちで臨むようにしたらどうか」というアドバイスが、その後の私を大きく変えることになりました。自分の良さを最大限に発揮する方法として「面接官と笑顔で会話をする」ことを意識して臨むようにしたところ、それまでになかった良い反応をもらうことができ、大きな自信になりました。
言いづらい「退職理由」…伝え方のポイント
Sさんが懲戒免職となった理由は、いわゆる「性犯罪」による逮捕です。不起訴に終わったものの実名報道もされており、志望先から理解を得るには極めて難易度の高い状況でした。
自分の過去のことを言うのはとても怖かったです。まして自分の場合は転職エージェントにも冷たい対応をされたことがあったので、完全にトラウマでした。
模擬面接では、退職理由をどのように伝えるのかについても細かく対策を練りました。
「事実をきちんと伝えた上で、暗くなりすぎずに志望動機につなげて伝える」という退職理由の伝え方のポイントを繰り返し練習しました。
ネガティブな退職理由の伝え方にはコツがあります。模擬面接では実際の面接官の反応までシミュレーションすることができるので、面接本番で困ることがない準備ができるようになります。
「ゴールの見えないマラソン」を乗り越え、ついにつかんだ人気職の内定
目標が決まり、面接の課題も修正し、退職理由の伝え方もマスターした上で就職活動に臨んだSさん。
人材業界という非常に人気の高い業界を志望していたこともあり、なかなか内定はもらえなかったものの、徐々に面接での手ごたえを得るようになっていきました。
結果的に不採用となった企業でも「何もしてあげられなくて申し訳ない。応援してるから頑張ってほしい」と声をかけてくださった方がいたり、他の企業を紹介してくれた方がいたりと、単なる不採用で終わらないケースも出てきました。良い反応をたくさんいただけるようになったのは、自分の良さを発揮する面接ができるようになったからだと思います。
Sさんにとって、就職活動は「ゴールの見えないマラソン」のようなものだったと言います。
上手くいかない期間が長ければ長くなるほど、「いつ終われるのか」「採用してくれる企業なんてないのではないか」と不安に感じ、精神的にも追い詰められていました。
だからこそ、24時間LINEで相談できるYOTSUBAの存在がありがたかったと言います。
「こんな自分にも味方がいる」と思えること自体がとても心強かったです。「孤独な戦い」をしなくて良くなったというのが一番救われた部分かなと思います。やはり大きなハンデを背負っている分、ただでさえ難しい転職活動がさらに大変になってしまうので、一人だととにかく悩みが尽きませんでした。その上、私の場合は上手くいかない状況が長引いていたことから、不安や悩みに押し潰されそうになっていました。味方だと信じていた転職エージェントにすら冷たい対応を取られたときは本当に全てを投げ出しそうになりました。
しかし、キリオさんと出会い、YOTSUBAを利用させていただいたことで、一人で悩まなくて良くなりました。しかも、キリオさん自身が過去経歴を抱えた転職活動の経験者であり、転職支援事業をしていた経験から採用側の視点も持っており、何より味方として親身に相談にのってくださるということで、これほど心強いものはありませんでした。
また、キリオさんが私以上に私の良いところに気づいて教えてくださり、励まして背中を押してくださったことも、とてもありがたかったです。キリオさんが悩みや不安しかなかった私に再び自信を持たせてくれたことから、面接で自信をもってアピールしたり、就職活動に前向きに取り組んだりできるようになったので、むしろ「YOTSUBAを利用してなかったら」と思うとゾッとするぐらいです。
逮捕から約3年。辛く長い無職生活を耐え、Sさんは計54社に応募の末、ついに転職サイトを運営する企業の営業兼キャリアアドバイザーとして内定をもらうことができました。
未経験の仕事に食らいつきながら「働くことの喜び」を実感する日々
Sさんが就職されてから約4か月後。久々にZoomで近況をお伺いすることができました。
未経験の仕事は戸惑うことも多く、すぐに活躍できないもどかしさも感じているとのことでした。
忙しい毎日ですが、働くことの喜びを日々実感し、とても充実した毎日を過ごしています。就活の最後の方は本当に気が滅入りそうでした。ただ、この苦労があったからこそ、上手くいったときには本当に嬉しかったですし、気持ちをより強く持つことができたので、この苦労は自分にとって絶対に必要だったと考えています。
最後に、現在進行形で再出発に向けて頑張っている方にメッセージをいただきました。
YOTSUBAというサービスの利用を検討しているということは、何か事情を抱えられているのだと思います。退職の経緯、失ったものの大きさ、転職活動の期間、次に懸ける思いなど、人それぞれ中身は違っても、「前に進まなきゃ」「社会に認めてもらって再出発したい」という強い気持ちは共通なのではないでしょうか。だからこそ、前に進みたいけど進めない、認めてもらえない、というもどかしさを抱えている方も多くいるかと思います。
まずはそんな悩みや不安を抱えながら今も前に進もうと必死で頑張っている方々に敬意を表したいです。その上で、以前の自分も全く信じられなかったことではありますが、必死に向き合って頑張っているその努力はきっと報われる日が来る、ということをお伝えしたいです。そして、その日に早く辿り着くためにも、自分の良さをもう一度見つめ直し、強みを発揮できるようになってほしいなと思います。
私はYOTSUBAを利用することで、自分の良さや強みの活かし方、今の自分に足りない部分などを客観的に教えていただくことができ、就活にとても前向きに取り組むことができるようになりました。何より、こういった形の転職活動は孤独になりやすいですし、悩みも解決しにくいものであるからこそ、「味方がいる」ということ自体がとても心強かったです。
キリオさんは、どんな過去も悩みも真剣に聴き、時に自分以上に向き合ってくれるような方です。私はキリオさんと出会えたことで、性格や考え方も含めて大きく変わることができました。あの時出会っていなければ…と考えると恐ろしくなるぐらい、本当に出会えてよかったと思っています。キリオさんには感謝してもしきれません。
悩みや不安の中、前に進もうと努力されている方にとって、どういう形であれ、その努力が報われる瞬間が訪れることを心の底から願っています。頑張ってください!
(Sさんより頂戴したメッセージです)
弊社が運営している“ワケアリ転職“専門キャリア相談サービスYOTSUBAでは、逮捕や懲戒解雇などで職を失った方の社会復帰を支援しています。就職だけでなく実名報道によるネット記事対策も請け負っています。お悩みの方はぜひ一度お気軽にご相談ください。
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