【ワケアリ先輩の就活レポ④】ばりばりのリーダー職がたった数千円の窃盗で懲戒解雇…心の病気で「死」も考えた30代女性が努力でつかんだ再就職

ワケアリ先輩の就活体験記④

懲戒解雇などのどん底から社会復帰できた方の体験談を紹介する「ワケアリ先輩の就活レポ」。

今回は、社内で誰もが認めるリーダー職でありながら「心の病気」をきっかけに同僚への窃盗トラブルを起こし、懲戒解雇になった30代女性(Yさん)を取り上げます。

十数人の部下を束ね、上司からの信頼も厚かったYさん。実は入社前から食べたものを全て嘔吐してしまう「摂食障害」と闘っていました。誰にも悩みを吐き出せず、いつの間にか経済的にも精神的にも限界を超え、ついには同僚の財布から現金を抜き取るトラブルを起こしてしまいます。

その金額はわずか数千円。

懲戒解雇後には激しい後悔と罪悪感に駆られ、毎晩眠れず、一時期は本気で「死んでしまいたい」と考えたそうです。

キリオ
まさに人生のどん底にいたYさんですが、YOTSUBAの無料相談をきっかけに前を向き、わずか3ヶ月で3種類の国家資格を取得。最終的には第一志望を含む2社から正社員内定を得ることができました。

諦めず、前を向けばきっと努力は報われる――。そのことを身をもって証明してくれたYさん。

内定後、改めてインタビューをお願いし、解雇直後の苦悩や社会復帰に向けた思いを語ってもらいました。

この記事を書いた人
 
キリオ (中村元)
キリオ
一般社団法人再スタート支援協会代表理事/株式会社Everal代表取締役|“ワケアリ転職“専門キャリア相談「YOTSUBA」代表キャリアカウンセラー|国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:24037006)|早稲田大卒→大手メディア会社→30歳で逮捕・懲戒解雇を経験|転落人生からの逆転体験を発信するブログ「ぼくだからできること。」は累計70万アクセス以上の訪問|著書「懲戒解雇されたら人生逆転できました
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将来有望な女性リーダーがまさか…わずか数千円の窃盗で懲戒解雇に

プロフィール
氏名 Yさん
年齢・性別 30代女性
前職 会社員(不動産業)
逮捕歴 なし
実名報道 なし
背景 同僚への窃盗トラブルで懲戒解雇

10代の頃から食べたものを全て嘔吐してしまう「摂食障害」を抱えていたYさん。症状は自覚しながらも、家族や友人にも言えず一人で悩み続けていました。

表向きのキャリアは順調そのもの。不動産会社の営業や人事などの要職を経て、30代前半の若さで複数の店舗を統括し十数人の部下を率いるリーダーに抜擢されます。

しかし、仕事上の責任が増すにつれて、摂食障害の症状も悪化するようになりました。

食べたものを全部嘔吐してしまうが、また食べずにはいられないーー。摂食障害の影響で、食費は人一倍かかります。一方で頻繁にある社内外での飲み会は断るわけにいかず、責任感の強さから部下へ「奢る」機会も増えていたそうです。プレッシャーと比例するかのように出費は増え、経済的にも苦しくなっていきました。

ワケアリ先輩
「魔が差した」と言ったら無責任な言い方になりますが、せっかく働いて給料をもらっても、どうせ吐いてしまう食費に消えてしまう。稼ぐことが馬鹿らしくなってしまいました。

飲み会の席では気丈に振る舞うYさん。職場の同僚はおろか、仲の良い友人や家族でさえも摂食障害で苦しんでいることに気づかなかったといいます。

気づけば正常な判断すらできない状態まで追い詰められていました。経済的にも苦しくなり、ついに同僚の財布に手を伸ばしてしまいます。

盗んだ金額はわずか数千円でした。

上司からも部下からも信頼されていたYさんがまさか…。

窃盗トラブルの発覚後、社内では責めるよりもむしろYさんの状態を心配する声ばかりでした。

激しい後悔、絶望…「死にたい」とすら本気で思う毎日

どんな事情であろうと同僚からお金を盗んだことの責任は重く、「懲戒解雇」の処分が下されました。

たった数千円で人生を棒に振ってしまったーー。

自業自得であることは、誰よりも本人が理解しています。

激しい後悔、喪失感、迷惑をかけた同僚への罪悪感。充実していた日々に戻ることができない現実。

ワケアリ先輩
信頼してくれていたたくさんの人たちを裏切ってしまったという思いがとにかく強かったです。毎日眠れず、死んでしまいたいと本気で思いました。

一応就活を始めてみたものの、まったく気持ちが前を向かず、就活どころではありません。

これを機に、初めて精神科に足を運びました。

「早く治さなければ」という焦りから症状は良くならず、精神状態も悪くなるばかり。「双極性障害」の診断も出されました。このままでは本当に最悪の行為に走ることも懸念されたため、ほぼ強制的に入院を余儀なくされました。

本格的な就活開始も直面した「懲戒解雇」に対する厳しい評価

入院をきっかけに、初めて家族や知人に摂食障害のことをカミングアウトしました。

同じ病気を抱える人との交流も持つようになり、絶望的だった精神状態は少しずつ上向きになっていきます。

約2ヶ月間の入院を経て、いよいよ本格的に就職活動を開始。転職エージェントにも登録して再出発を図ります。

しかし、待ち受けていた現実は甘くありませんでした。

Yさんには営業や人事などの経験に加え、若くしてチームを率いていた実績もあります。しかし、「懲戒解雇」のハンデを乗り越えるのは容易ではなく、転職エージェントにもまともに相手にされませんでした。

懲戒解雇歴を伏せて書類選考に通過した会社はいくつかありましたが、面接で打ち明けるとことごとく不採用に。

ワケアリ先輩
やっぱり懲戒解雇の経歴があるとダメなのかと、どんどん自信もなくなっていました。「いっそのこと懲戒解雇のことは隠してしまった方がいいのでは」とも思いました。そんなとき、YOTSUBAの存在を知って相談してみることにしました。

就活方針の大幅転換が再就職の転機に

Yさんは社内でも若くしてリーダー職に抜擢されたように、実力や実績は折り紙付き。一方で懲戒解雇をきっかけに大きく自信を失っている状態でした。

キリオ
初回カウンセリングでは、過去の棚卸しからYさんが持つ「強み」を整理し、「自己効力感」を取り戻していただけるきっかけになることを意識しました。

カウンセリングをきっかけに、Yさんは新たな「課題」に気づくことができたと言います。

ワケアリ先輩
自分の中で、この先“どうありたいのか“という将来へのビジョンが足りないなと気づくことができました。これまではどこか心の中で「どんな会社でもいいから引っかかればいいや」という気持ちでいたのも事実ですが、それではダメだと思い直すこともできました。

YOTSUBAの無料相談を機に、Yさんは就職活動の方針を大幅に変更。一度応募するのをやめ、国家資格の取得を目指すことにしました。

キリオ
再就職に向けて資格を取得するというのはワケアリ就活において極めて有効です。採用面接で、「頑張ります」というのは簡単ですが、結局のところ「やる気」をアピールするにすぎません。資格を取得するということは、能力の客観的な証明になるだけでなく、「自分は本気でこの道を目指すんだ」という覚悟を示すことができます。

Yさんはこれまで不動産会社で順調にキャリアを積み上げてきたものの、明確にアピールできる資格はなく、有資格者を対象にした求人に応募できない弱みもありました。

不動産業界への復職を目指すため、一度就活をストップして資格取得の勉強に集中。

約3ヶ月間の猛勉強の末、宅地建物取引士に加えてファイナンシャルプランナー、簿記と実用的な資格を次々に取得することができました。

実務歴に加えて国家資格を手にしたYさんの市場価値は格段と向上しました。資格がないと応募できない求人にもエントリーできるようになり、最終的には第一志望を含む2社から内定を得ることができました。

キリオ
資格が就活で有利に働くのはもちろんですが、一度懲戒解雇になっても諦めず前を向き、新たな目標を見出して努力を重ねたという事実が大きかったのだと思います。

「人生何度でもやり直せる」新天地で誓う恩返し

懲戒解雇になった事実をきちんと伝えた上で、正社員就職を勝ち取ったYさん。

会社からは「誰だって間違うことはある。そこで何を感じるのが大事。何回でもやり直せる」と前向きな声をかけてもらったと言います。

ワケアリ先輩
今となっては、懲戒解雇を隠してしまおうと思ったことを情けなく思います。事実を隠さず本気で向き合ったからこそ、いい会社に出会うことができました。

懲戒解雇のきっかけとなった摂食障害は完治したわけではありません。

しかし、誰にも言えない悩みを一人で抱えていた過去とは違い、今は支えてくれる人がたくさんいます。

「少しでも早く戦力になって、チャンスをくれた会社に恩返ししたいです」。

新天地での活躍を誓うYさんの表情は希望で満ちていました。

懲戒解雇から社会復帰を果たしたYさんからのメッセージ

懲戒解雇から社会復帰を果たしたYさんからのメッセージ

(Yさんより頂戴したメッセージです)

弊社が運営している“ワケアリ転職“専門キャリア相談サービスYOTSUBAでは、逮捕や懲戒解雇などで職を失った方の社会復帰を支援しています。就職だけでなく実名報道によるネット記事対策も請け負っています。お悩みの方はぜひ一度お気軽にご相談ください。

\“ワケアリ転職“専門キャリア相談サービス/
⇒YOTSUBA(よつば)公式サイト

 

 

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この記事を書いた人

株式会社Everal代表取締役|“ワケアリ転職“専門キャリア相談「YOTSUBA」代表キャリアカウンセラー|早稲田大卒→大手メディア会社→30歳で逮捕・懲戒解雇を経験|転落人生からの逆転体験を発信するブログ「ぼくだからできること。」は累計70万アクセス以上の訪問|著書「懲戒解雇されたら人生逆転できました」

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