あなた- 夫が逮捕されてしまった…
- これから我が家はどうなるの?
- 妻としてどう行動したらいいんだろう…
最愛の夫がある日突然逮捕されたーー。そんな非常時に、妻としてどう行動すれば良いのでしょうか。
- 本当に夫が事件を起こしたのか…
- 夫は、家族は、子どもたちは…この先どうなってしまうの?
- 実名報道されてしまうことはあるのだろうか…
- 弁護士はどうやって選べばいい?
- 職場には連絡した方がいいんだろうか…
- そもそも夫とこの先も夫婦関係を続けていけるのか…
様々なことが脳裏に浮かび、これからのことに絶望していることかと思います。
一方で、周囲の心配とは裏腹に、事態は一刻を争います。
弁護士選定、勤務先への連絡、実家・義実家への連絡、子どもたちのケア、面会準備…など、妻として対処しなければならないことは少なくありません。
この記事では、これまで400件以上の加害者・加害者家族支援をしてきた実績を元に、夫が逮捕された妻に一番必要な情報を網羅的にまとめました。
これからの生活再建に向けて参考になることも多いと思うので、ぜひ最後までご覧ください。


逮捕されたご本人はもちろん、ご家族からの相談も無料で承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
夫が逮捕された!まずは冷静な判断を
ご主人が突然逮捕されてしまった場合、最初に意識したいのは気持ちを落ち着かせて冷静に判断することです。
混乱し気が動転している状態では、誤った判断を取りやすいので注意が必要です。
焦りに乗じて通常より高額な費用を請求する弁護士事務所もありますし、ネット上には根拠のない情報も蔓延しています。
焦って行動しても事態が変わるわけではないので、まずは冷静に今やるべきことは何かを一つずつ確認していきましょう。
夫が逮捕された妻ができること


ご主人が突然逮捕されてしまった場合、奥様としてやるべき行動としては以下のようなことが挙げられます。
- 事実確認をする
- 身内・家族間での情報共有
- 職場への連絡
- 子どものケア
- 弁護士の選定・調整
- 警察署での面会準備
冷静に事実関係を確認する
まずは事態を冷静に受け止め、事実関係を確認することが最優先です。
「あなたの夫が逮捕されました」などとウソの電話をする手口の詐欺事件などもあります。
本当に夫が逮捕されたのか必ず当該警察署に確認してください。
そのうえで、可能な限り情報を引き出す努力をします。
- 罪名は何なのか?
- いつ、どこで、どのような事件なのか?
- 夫の留置先(どこの警察署なのか)?
- 夫の認否は(被疑事実を認めているのか)?
- 私選弁護人はついているのか?
多くは電話越しになりますが、できるだけ多くの情報を集めておくと良いです。
今後やり取り可能な担当警察官の連絡先も聞いておくと役立つことも多いです。
身内・家族間での情報共有
ご主人が逮捕された事実を身内でどの程度共有するのかはそのご家族次第です。
ただ、今後様々な影響が出ることを考えると、なるべく早い段階で情報共有しておくことをおすすめします。
特に実家や義実家、きょうだいなど近い親族には速やかに伝えて今後の事態に備えましょう。
職場への連絡
夫が逮捕されてしまった事実を職場に伝えるかどうかはとても悩ましいところです。
数日で釈放されるような場合であれば別の理由で誤魔化せるかもしれませんが、無断欠勤が続くようだと言い訳するのも難しくなります。
職場に正直に伝えるかどうかはケースバイケースにはなりますが、当事者であるご本人と相談の上、少なくともしばらく出勤できない旨は早めに伝えた方が良いでしょう。
子どものケア
もしもお子さんがいる場合は、子どもの精神的ケアも必要です。
父親が逮捕されるショックは想像以上に大きいもの。
子どもの年齢にもよりますが、適切なケアを家族全体で考えていく必要があります。
弁護士の選定・調整
状況によっては、弁護士選びも妻の仕事になります。
逮捕されると、どんな人でも必ず「国選弁護人」をつけることができます。そのまま国選弁護人に依頼するのであれば特に問題はありません。
ただ、様々な面で融通の効く「私選弁護士」をつけることも多く、その場合は個人的に弁護士を選んで契約する必要があります。
留置施設にいる本人は私選弁護士を指定できないことも多いため、家族が代わりに弁護士の手配をすることになります。
特に逮捕から72時間以内は弁護人以外は面会ができず、家族であっても面会を許されていません。示談交渉が必要な事件など、初期段階では特に弁護士の働きが今後に大きな影響を及ぼすため、可能な限り私選弁護士をつけることをおすすめします。
警察署での面会準備
逮捕から72時間以降であれば、面会が可能になります。
妻としてはなかなか辛い立場ではありますが、直接本人と話をしたいのであれば面会に行ってみてください。
基本的には1日1回15分程度、3人までとされる場合が多いです(詳細は留置されている警察署にお問い合わせください)。
差し入れは基本的に平日であれば誰でもできます。一般的に差し入れできるものは以下の通りです。
- 現金(上限3万円まで)
- 書籍及び写真(各3冊、3枚まで)
- フェイスタオル及び眼鏡等の補正器具(各1枚、1個)
- 衣類(上衣、下衣、下着、靴下くるぶしまでの短いもので、無地の白色系、黒色系、紺色系のもの)各3枚
※詳細は警察署にお問い合わせください。
逮捕初期段階では、何日間拘留されるかわかりません。
あまり一度に必要以上の差し入れはせず、長期化する場合にはこまめに差し入れするようにすることをおすすめします。
夫の逮捕直後に注意しておきたいこと
夫の逮捕直後は誰もが混乱するものです。
冷静な判断がしづらい逮捕直後の今だからこそ、以下の点には十分注意しておきましょう。
慌てず冷静な行動を心がける
夫の逮捕という突然の事態に混乱してしまうことはやむを得ません。
しかし、焦って行動ばかりが先走りしてしまうと、かえって事態を悪化させてしまうこともあるため注意が必要です。
特にネット上には有象無象の情報があふれているため取捨選択は慎重に行う必要があります。
身内の逮捕という不安状態につけこみ、「示談交渉は一日も早い方がいい」などと言って高額な費用を請求する悪徳弁護士事務所なども実在しています。
混乱している今だからこそ、極めて冷静に判断するよう努めましょう。
弁護士とは密に情報共有する
逮捕されてから72時間以内は、家族であっても面会に行くことはできません。
弁護士経由でのやり取りが続くので、些細なことでも弁護士と密にやり取りするようにしてください。
弁護士にもそれぞれ専門性があります。刑事事件の弁護や逮捕直後の初期対応に慣れていない弁護士が国選弁護人になることもあり得るため、できる限り私選弁護士をつけることをおすすめします。
夫本人としっかりと話し合う
面会が可能になって以降は、可能な限り夫本人と話をする機会を設けた方が良いかと思います。
事件について本人の言い分を聞くのはもちろん、家族としてできることはないか確認することが必要です。
また留置場にいる夫本人にとって、妻が面会に来てくれることは何よりも心強い励みになります。
悩みを抱えずに周囲と共有する
事件対応をしていると、知らず知らずのうちに心身がすり減ってしまいがちです。
周囲に口外しにくい悩みだからと言って、一人で抱えてパンクしてしまっては元も子もありません。
1人でもいいので悩みを共有できる人がいると、随分気持ちは楽になるかと思います。
夫が逮捕されたら離婚する?


夫の逮捕をきっかけに、離婚されるご夫婦は少なくありません。
一方でそのまま婚姻関係を継続して支えていく道を選ぶ方もたくさんいます。
7割近くは離婚せず関係を継続
あくまで体感ではありますが、YOTSUBAへご相談に来られた方の7割近くは離婚せずに関係を継続されている印象です。
<離婚しない理由>
- 子供にとって父親が必要だから
- 自宅のローンがあるから
- 経済的に離婚できない
- 夫への信頼は変わらないから
- 夫には自分が必要だと思うから
どの選択がベストなのかは状況によって異なります。
後悔のないよう、夫婦間でしっかりと話し合って決めることが大切です。
【夫の逮捕】当事者である妻の悩み


弊社には、夫が逮捕されてしまった当事者である奥様からの相談も多くあります。
実際に相談の多い悩みについてまとめてみました。
- そもそも誰にも相談できない
- 子どもの将来が不安
- 離婚すべきかどうか悩む
- 今後の生活費について悩む
- 実家にどう説明しようか悩む
- 妻自身が自分を責めてしまう
- 転居するかどうか悩む
- 夫にどんな声を掛けてよいのかわからない
- 報道の影響が心配
そもそも誰にも相談できない
「そもそも夫の逮捕を誰にも相談できない」と悩むケースは少なくありません。
妻自身が一人で抱えてしまい、心身に支障をきたすこともあります。
子どもの将来が不安
夫の逮捕が子供にどう影響するかも大きな悩みの一つです。
実名報道されているようなケースでは、親の逮捕が原因で子供が学校に行きづらくなってしまうことも少なくありません。
「父親の逮捕」は子供にとって大きなショックなので、精神的ケアも十分気を付ける必要があります。
離婚すべきかどうか悩む
夫の逮捕をきっかけに離婚するかどうかは多くの当事者が悩んでいるところです。
子どものことや収入面など総合的に考え、どういう結論がベストなのか夫婦間で話し合う必要があります。
今後の生活費について悩む
夫の逮捕により、職を失うケースも少なくありません。
大黒柱の収入が途絶える形となるため、今後の生活費については死活問題となります。
実家にどう説明しようか悩む
意外と多い悩みが、夫の逮捕を両親(実家)にどう伝えようか、という問題。
言いづらい話ですが、隠し通すのは現実的に難しいため、可能な限り早めに事情を伝えておくのがベターです。
妻自身が責任を感じてしまう
あくまで責任は夫にあるのに、妻が自分を責めて悩んでしまうことも多いです。
本来妻が責任を感じる必要はないのですが、なんとなく世間からの目が怖くなり、外に出づらくなったり、人と顔を合わせるのが怖くなってしまったりすることもあります。
「加害者家族は第二の被害者」と言われることがあるほど難しい課題です。
転居するかどうか悩む
夫の逮捕後も同じ家に住み続けるかどうかも大きな悩みの一つです。
家宅捜索などの様子を近所に見られてしまっているケースもあり、心理的にも同じ家に住むことが嫌になってしまうことがあります。
夫にどんな声を掛けてよいのかわからない
当事者である夫にどんな声を掛けて良いのかという悩みの声もよく聞きます。
基本的には夫自身が大きなショックを受けていることが多いので、前向きな声を掛けてあげることをおすすめします。
報道の影響が心配
夫の逮捕が報道されるのではないか、また実際に報道されてしまいどのような影響があるのか、といった「報道」に関する悩みも多いです。
ネットに名前が出てしまうと多大な影響が残るため、今後の生活を脅かす非常に大きな悩みの種となります。
参考記事:実名報道される基準を元記者が解説!名前が出る人と出ない人の違いは?
【参考】夫の逮捕時に使える加害者家族向け支援団体
ここからは、犯罪加害者家族の支援をしている団体を紹介します。
一切の非がないのにも関わらず、夫の逮捕によって突然社会的な制裁を受ける立場になる犯罪加害者の家族は、欧米では「第二の被害者」と呼ばれる存在です。
しかし日本では、加害者家族に焦点が当てられることは少なく、むしろ「家族にも責任がある」などと言われることもあります。
決して多くはありませんが、加害者家族を支援している団体・サービスも出てきたので、参考にしてみてください。
| 団体サービス名 | 概要 | 利用方法 |
|---|---|---|
| YOTSUBA | 逮捕歴・前科がある人の総合支援サービス。再就職支援や実名報道・ネット記事対策など。家族の利用も可。初回無料相談あり。 | オンライン(Zoom) |
| World Open Heart | 仙台市に拠点を置く犯罪加害者家族支援に特化したNPO法人。加害者家族会の開催や無料電話相談など。 | 電話、対面 |
| スキマサポートセンター | 大阪市に拠点を置く犯罪加害者家族の支援団体。無料電話相談や家族会の実施など。 | 電話、対面 |
| 西川口榎本クリニック | 埼玉県のメンタルクリニック。依存症治療の専門医が「性犯罪加害者の家族」に特化した家族会を開催。 | 対面 |
YOTSUBA


| 名称 | YOTSUBA(よつば) |
|---|---|
| 種別 | 一般社団法人 |
| 内容 |
|
| 無料相談 | あり |
| 相談形式 | オンライン(Zoom) |
| 所在地 | 東京都港区三田3丁目7番13号ハイライフ三田603号 |
| 公式サイト | https://yotsuba-career.com/ |
YOTSUBAは、一般社団法人再スタート支援協会が運営している総合支援サービス。
実際に逮捕歴・前科のある代表が、自らの経験を元にした再就職・社会復帰に向けた支援をマンツーマンで行います。
Zoomを使ったオンライン面談がメインなので、全国どこからでも利用可能。もちろんご家族からの相談もOKです。
実名報道によるネット記事対策も実施しています。


World Open Heart


| 名称 | World Open Heart |
|---|---|
| 種別 | NPO法人 |
| 内容 |
|
| 無料相談 | あり |
| 相談形式 | 電話、面会 |
| 所在地 | 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目6-22 シャンボール一番町704 |
| 公式サイト | https://worldopenheart.com/ |
World Open Heartは、仙台市に拠点を置く犯罪加害者家族支援に特化したNPO法人です。
2008年に設立された犯罪加害者家族支援の先駆け的存在で、代表の阿部恭子さんは様々なメディアなどで取り上げられています。
無料電話相談のほか、面会同行や家族会の開催など様々な活動を展開している団体です。
スキマサポートセンター


| 名称 | スキマサポートセンター |
|---|---|
| 種別 | NPO法人 |
| 内容 |
|
| 無料相談 | あり |
| 相談形式 | 電話、対面 |
| 所在地 | 大阪府大阪市北区中津1丁目11号8番 森川ビル502号室 |
| 公式サイト | https://sukima-support.red/ |
スキマサポートセンターは、西日本で唯一の犯罪加害者家族支援団体です。
電話による無料相談を中心に、同じ悩みを持つ家族同士の集まり「家族会」を定期的に開催し、加害者家族のメンタルケアを行います。
その他、弁護士などの専門家とも連携し、必要なサポートを提供しています。
西川口榎本クリニック


| 名称 | 西川口榎本クリニック |
|---|---|
| 種別 | 医療法人社団 |
| 内容 |
|
| 無料相談 | あり |
| 相談形式 | 対面 |
| 所在地 | 埼玉県川口市並木3-12-6 |
| 公式サイト | https://www.enomoto-clinic.jp/clinic/nishikawaguchi/ |
西川口榎本クリニックは、性依存やアルコール依存、ギャンブル依存などの依存症治療に特化したメンタルクリニックです。
当事者の治療はもちろん、性犯罪加害者に特化した家族会を毎月開催しています。
副院長の斉藤章佳さんは依存症に関する著書などでメディアにもたびたび登場しています。
夫の逮捕まとめ:一人で抱えず相談を!


夫の逮捕という緊急事態に、正常でいられる人などいません。
混乱してしまうときだからこそ、いつも以上に冷静な判断ができるよう強く意識してみてください。
また一人で抱えていると、自分自身がどんどん追い詰められて精神的に苦しくなってしまいます。
この先の生活再建に向け妻の支えは不可欠です。
周囲に相談しづらい悩みではありますが、一人で悩まず、相談機関も積極的に活用しましょう。









