この記事では、懲戒解雇された人間の末路について、実際の経験談を元に赤裸々にお伝えします。
参考:“ワケアリ転職“専門キャリア相談サービスYOTSUBA
不祥事を起こした会社員にとって最も重たいペナルティである懲戒解雇。
「会社員の死刑宣告」と呼ばれるほど責任は重く、再就職にも大きな影響を及ぼします。
参考:【体験談】懲戒解雇になりました|30歳でクビになった実話
懲戒解雇されたからといって社会復帰ができなくなるわけではありません。
実際筆者自身もそうですし、YOTSUBAの利用者で懲戒解雇を乗り越えて正社員就職を実現した方もたくさん見てきました。
そこでこの記事では、懲戒解雇からの再就職が上手くできない方に共通する点について解説していきます。
数十人以上の懲戒解雇経験者の体験を元にした分析なので、現在進行形で社会復帰を目指している方にはかなり役立つはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
懲戒解雇の影響
懲戒解雇された場合、主に以下のような悪い影響を受けることになります。
- 失業保険の受け取りまで時間がかかる
- 再就職が難しくなる
- 世間から厳しい目で見られる
失業保険の受け取りまで時間がかかる
まず懲戒解雇の場合、通常の退職とは違い「自己都合による退職」という扱いになります。
したがって失業保険(基本手当)を受けられるようになるまで「待機期間」が必要となり、3ヶ月以上は受け取ることができません(詳細は懲戒解雇の失業保険をご参考ください)。
この間、基本的には無収入状態となるため、生活が苦しくなることが予想されます。
再就職が難しくなる
懲戒解雇された経歴があると、再就職がかなり難しくなります。
昨今はコンプライアンスへの意識が厳しい企業が多く、懲戒解雇歴があると知った時点で不採用となるケースも少なくありません。
とはいえ、懲戒解雇からスムーズに再就職できる人は決して多くありません。就職活動がある程度長期化することは覚悟する必要があります。
世間から厳しい目で見られる
懲戒解雇された経験があると、世間から厳しい目で見られるようになることは致し方ありません。
懲戒解雇はよほどのことがない限り下されることのない重大な処分なので、「社会人として失格」というレッテルが貼られてしまいます。
仮に再就職がうまくいった後でも、「過去に懲戒解雇になった人間」という評価は変わらないため、必要以上に成果を出して信頼を得られるよう努力する必要があるでしょう。
懲戒解雇された人間の末路
ここからは、実際に弊社に相談があった例のうち、懲戒解雇からの社会復帰がうまくいかなかった方の末路について赤裸々にお伝えします。
①20代男性:転職エージェントにも相手にされず2年以上も無職…
年代/性別 | 20代男性 |
---|---|
前職 | 公務員 |
懲戒解雇理由 | 刑事事件で逮捕 |
1人目は、刑事事件で逮捕されて懲戒免職となった元公務員の20代男性です。
この方は性犯罪で逮捕された上、実名報道されたこともあって再就職にはかなり苦労されていました。
実際、転職エージェントに相談しても相手にしてもらえず、中にはあからさまに冷たいことを言われたケースもあったようです。
そういった経緯もあり、就職活動すること自体が怖くなり、実に2年以上も無職生活を続けていました。
②20代男性:懲戒解雇の事実が発覚して内定を取り消しに…
年代/性別 | 20代男性 |
---|---|
前職 | 会社員 |
懲戒解雇理由 | 刑事事件で逮捕 |
2人目は、大手企業に勤務しながら刑事事件を起こして逮捕、懲戒解雇された方のケースです。
この方も再就職には苦労して、結果的には退職理由をごまかし、懲戒解雇された事実を告げずに就職しました。
どうにかやり直せる第一歩を踏み出せたと安心したのも束の間、数日後にはネット検索をきっかけに懲戒解雇された事実が発覚。人事部から呼び出しを受け、内定を取り消されてしまいました。
③30代男性:妻とは離婚、住宅ローンも残り八方塞がりに…
年代/性別 | 30代男性 |
---|---|
前職 | 会社員 |
懲戒解雇理由 | 刑事事件で逮捕 |
3人目は、こちらも性犯罪による逮捕をきっかけに懲戒解雇されてしまったケースです。
この方は職を失っただけでなく、妻とは離婚になり、さらには購入したばかりの住宅ローンものしかかるといういくつもの不幸が重なりました。
まさにどん底の状態で、YOTSUBAでの初回面談では大粒の涙を零していたことが印象的です。
懲戒解雇からの再就職に失敗する人の共通点
懲戒解雇からの再就職に失敗する人には、以下のような共通点があります。
- 焦って闇雲に応募する
- 方向性が定まっていない
- 自信を無くしたまま面接を受ける
- 自分の強みを整理できていない
- 志望動機が明確になっていない
- 履歴書・職務経歴書の書き方が悪い
焦って闇雲に応募する
懲戒解雇からの再就職に失敗する最も典型な例が、闇雲に応募を続けるパターンです。
懲戒解雇されると「早く就職しなければ」という焦りから、可能性がありそうな企業を手あたり次第応募する方は少なくありません。
特に家族持ちの方や貯金に余裕がない方に多く、「就職できるならどこでもいい」という考えになりがちです。
しかしそれでは1社ずつの「企業研究」がおろそかになり、志望度の薄さも面接官に見抜かれてしまいます。
「たくさん受けているうちの1社」だと先方に見抜かれてしまっては、再就職の見込みは薄くなると言わざるを得ません。
「早く就職したい」と焦る気持ちは理解できますが、1社ずつきちんと対策を練っていく意識も忘れないでください。
方向性が定まっていない
「闇雲に応募する」とも共通しますが、どんな方向性で就職活動を進めていくのかが定まっていない状態で応募しても、採用される確率は低くなります。
業界や業種など、少なくとも就活の「軸」とする部分を持たないままだと、志望動機が曖昧になり、業界研究も進みません。
焦る気持ちは理解できますが、いきなり応募するのではなく、まずは大まかな「目標」を設定した上で順を追ってステップを踏む必要があります。
自信を無くしたまま面接を受ける
懲戒解雇された経歴があると、どうしても自分を信じられなくなり、自信が持てなくなりがちです。
過去を反省することはもちろん大切で、採用面接でも同じ過ちを繰り返さないことはきちんと伝える必要があります。
しかし、だからと言って自分を卑下したまま面接を終えるのは得策ではありません。
本来、採用面接は自分の強みや良いところをアピールする場です。過去の失敗を反省することとは別に、自分に対して自信を持って面接に臨む必要があります。
自分の強みを整理できていない
上述したとおり、採用面接では自分の強みをアピールすることが重要です。
また未経験転職を目指す際は、過去のキャリアを棚卸しして、企業にとって魅力的に映るようなアピールポイントを掘り下げることも必要になります。
しかし、懲戒解雇からの再就職を焦るあまり、自分の強みを整理できずにいるまま就職活動に臨んでしまう方も失敗しやすい傾向があると言えるでしょう。
志望動機が明確になっていない
懲戒解雇からの再就職に失敗する例としては、志望動機が不明確、または薄いことも挙げられます。
特に焦った気持ちでたくさんの求人に応募しようとすると、1社ずつへの理解が浅くなり、志望動機もぶれてしまいがちです。
懲戒解雇というウィークポイントを背負っている以上は、他の人と比べても目立つくらいの強い志望動機や熱意をアピールできるかが重要になります。
履歴書・職務経歴書の書き方が悪い
懲戒解雇された経歴はさておき、そもそもの履歴書・職務経歴書の書き方が悪くて書類選考に通らない方も散見されます。
特に転職経験がない方や、きちんとした書類作成の経験が少ない方の場合、「我流」で作成した書類を提出することはおすすめできません。
また企業ごとに重要視されるポイントは違うため、同じ書類を使い回すことも厳禁です。
履歴書・職務経歴書はただ経歴を書くだけではなく、自分の強みが最大限伝わるような書き方の工夫をする必要があります。懲戒解雇の履歴書の書き方も参考にしながら、可能な限り転職エージェントなど書類作成に精通しているプロの添削を受けるようにしましょう。
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懲戒解雇から社会復帰するために必要なこと
懲戒解雇からの社会復帰を目指す上で大切なポイントは以下の通りです。
- 二度と過ちを繰り返さない
- 明確な目標を定める
- 自分の強みを言語化する
- 自分一人で就職活動しない
二度と過ちを繰り返さない
まず大前提として、二度と同じような過ちを繰り返してはなりません。
直接懲戒解雇の原因となった行為はもちろん、周囲から見てネガティブに映る言動は極力避ける必要があります。
明確な目標を定める
懲戒解雇からの再就職を目指す上では、「目標設定」が最初の重要なステップとなります。
「社会復帰がうまくいかない例」でも挙げたとおり、目標を決めずに闇雲に応募しているだけではなかなか採用には至りません。
好きな仕事に就けなくなってしまったことは後悔しても仕方がないので、やりがいを見出せて自分の適正に合った仕事を見つけることが大切です。
自分の強みを言語化する
実際に受けていく業界、業種が決まったら、自分のアピールポイントを整理します。
これまでの経歴の中で、アピールできそうな強みはないか考えてみましょう。
面接官が評価するポイントは、目に見える資格やスキルだけではありません。どういった思考や姿勢で仕事に臨んでいたのかが重要になるため、過去の棚卸しをしながら自分の特長を伝えやすいエピソードを掘り下げていくのがポイントです。
自分一人で就職活動しない
懲戒解雇からの再就職で重要なのが、一人きりで就職活動を乗り切ろうとしないことです。
懲戒解雇からの再就職はうまくいかないことがほとんどで、何社も不採用を経験することになるかもしれません。
したがって、就職活動ではいかに信頼できる相談相手を見つけられるかが重要になります。
転職エージェント、ハローワークの職員、キャリアカウンセラー…どんな立場の人でもいいので、本音で相談できる相手を見つけましょう。
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まとめ:懲戒解雇でも前向きに社会復帰を目指そう!
懲戒解雇で人生終了と言われるとおり、懲戒解雇されると社会復帰はかなり難しくなります。
再就職にも苦労しますし、世間的な評価も著しく落ちることになるため、信頼を取り戻すまでには一定の時間がかかることでしょう。
しかし、懲戒解雇されたからと言って、そこで終わりではありません。懲戒解雇を乗り越えて社会復帰できた方はたくさんいます。
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