- 懲戒解雇は転職でバレる?
- バレない方法があるなら知りたい…
「会社員の死刑宣告」とも言われる懲戒解雇。当然次の就職や転職での影響は大きく、できればバレずに次の仕事に就きたいと考える人も多いでしょう。
しかし結論から言うと、懲戒解雇は転職先にバレてしまうケースが多いです。また仮にバレずに入社できたとしても、大きなリスクを背負いながら生活することになります。
そのため、弊社では懲戒解雇からの再就職を目指す方に対し、懲戒解雇がバレるかバレないかを考えるのではなく、きちんと打ち明けた上で就職する道を目指しましょうとお伝えしています。
この記事では、懲戒解雇が転職でバレてしまう8つのケースについて、具体的に解説しています。
また実際に弊社に相談があった、懲戒解雇を隠して入社したことで招いた悲劇についてもまとめてみました。
懲戒解雇からの再就職を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
懲戒解雇が転職でバレる8つのケース
懲戒解雇が転職でバレてしまう可能性があるのは、主に以下のケースです。
- 履歴書・職務経歴書
- 面接
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 退職証明書
- 第三者による情報提供
- 転職先の身辺調査
- SNSやネットの情報
①履歴書・職務経歴書
懲戒解雇の履歴書の書き方にもあるとおり、基本的に履歴書や職務経歴書には懲戒解雇の事実を記載する必要はありません。
しかし稀に企業指定の履歴書が必要な場合があり、その中に「賞罰欄」の項目があると、懲戒解雇を記載しなければならないケースがあります。
②面接
懲戒解雇がバレる機会が最も多いのが面接です。
基本的にどの面接でも前職の退職理由を聞かれるため、ここで懲戒解雇と言わざるを得なくなります。
③離職票
離職票は離職したことを証明する公的な書類で、正式には「雇用保険被保険者離職票」といいます。
そのうちの「様式2」では離職理由を示しており、具体的な内容を記述する欄もあります。
参考:ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
この離職票は失業手当(正式には基本手当)をハローワークに申請する際に必要なもので、前職の会社から受け取り自ら申請します。
そのため転職先に見られることはあまりありません。
転職先に離職票を提出する必要はありません。前述のとおり、離職票は失業手当(失業保険)を受給するために、ハローワークに提出する書類です。それ以外では特に使い道がない書類のため、転職先の会社から入社後に提出を求められることも基本的にはありません。
参考:doda「離職票とは?もらえる時期や発行方法、退職証明書との違いなどを解説【社労士監修】」
基本的に離職票からバレることはないと考えていいでしょう。
④雇用保険被保険者証
離職票(雇用保険被保険者離職票)とよく似た名前の公的証明に「雇用保険被保険者証」があります。
雇用保険被保険者証は雇用保険に加入した人(被保険者)に発行される証明書で、一般的には会社を退職する日に手渡されるケースが多いです。
離職後に源泉徴収票や離職票と一緒に送られてくるケースもあります。
出典:ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
この雇用保険被保険者証も離職票と同様、失業手当(正式には基本手当)をハローワークに申請する際に必要となります。
また雇用保険の引き継ぎのため、転職先に提出を求められるケースがあります。
ただしこの書類だけでは退職理由まで分からないため、基本的には雇用保険被保険者証から懲戒解雇がバレることはないと考えていいでしょう。
⑤退職証明書
退職証明書は、企業が従業員に対して発行する、従業員が退職したことを証明する書類です。
これは公的な書類ではないため、企業に発行義務はありません。
しかし転職先の企業が提出を求めるケースがあるため、その場合は前職の会社に発行を依頼する必要があります。
この退職証明書には具体的な退職理由が書かれます。したがって転職先から退職証明書の提出を求められたらほぼ確実に懲戒解雇がバレると考えた方がいいです。
ただし退職証明書には決まった形式はなく、記載内容も発行する企業が決めます。
⑥第三者による情報提供
懲戒解雇がバレるケースとして意外と多いのが、第三者による情報提供です。
懲戒解雇の事情を知る人が、新しい就職先に通報するようなケースは実際にあります。
⑦転職先の身辺調査
最近中途採用で身辺調査を徹底する企業は増えてきています。
バックグラウンドチェックとも呼ばれ、同意なく普段の行動・素行や人間関係、犯罪歴、民事訴訟歴などについて調査をされることがあります。
身辺調査をされた場合、隠していた懲戒解雇がバレてしまう可能性は高いでしょう。
また本人の同意を得た上で前職の上司や同僚に対するヒアリングをする「リファレンスチェック」を導入する企業もあります。
特にコンプライアンスへの意識が高い大企業や外資系企業ではこうした傾向にあるので、覚えてきましょう。
⑧SNSやネットの情報
懲戒解雇の事情を知る人によるSNS・ネットへの投稿から発覚してしまうケースもあります。
公務員の懲戒免職では実名発表を原則とする自治体もあり、実名報道につながるケースも少なくありません。
企業によってはネット・SNSのチェックを徹底する場合もあるため、書き込みには十分注意を払っておきましょう。
懲戒解雇を隠すことのリスク
仮に懲戒解雇がバレずに就職できたとしても、隠し続けることには大きなリスクも生じます。
①再び懲戒解雇になる可能性がある
言わずもがなですが、懲戒解雇を隠して入社し後から発覚した場合、再び懲戒解雇になる可能性があります。
特に面接等でウソの退職理由を伝えていると、間違いなく経歴詐称に該当します。
②自主退職に追い込まれる可能性がある
実は転職活動において、懲戒解雇などの不利な情報を積極的に開示する必要はありません。
実際、「面接でも退職理由を聞かれなかったからそのまま入社できた」という方もまれにいらっしゃいます。
その場合は、入社後に発覚したとしても会社は懲戒処分にすることはできません。
ただし、仮に懲戒処分にはならなかたっとしても、自主退職を勧められてしまうケースはあります。
③いつバレるか不安な状態が続く
懲戒解雇のことを隠す最大のデメリットは、いつかバレたらどうしようと不安におびえながら過ごすようになることです。
上述したとおり、入社後にも懲戒解雇の事実が明るみになってしまう可能性は否定できません。
その状態では、やはり仕事に集中することは難しく、心を入れ替えてやり直そうという気持ちにもどこかウソをつく形になってしまいます。
懲戒解雇を打ち明けるべきか隠すべきかに正解はありませんが、隠すことには大きなリスクが伴うことは覚悟しておきましょう。
実際に相談があった懲戒解雇を隠して入社した人の話
ここからは、弊社が運営している“ワケアリ“向け転職相談YOTSUBAで実際に相談があったケースについてです。
ここではその一例を紹介します。
実例①ネット検索で発覚して自主退職
状況 |
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結果 | 自主退職 |
一つ目は、懲戒解雇を隠して入社したものの、数日後にネット検索で事実が発覚してしまったケースです。
この方は前職の在職中に逮捕・懲戒解雇されましたが、採用面接では特に退職理由を聞かれなかったため、ごまかして入社したそうです。
苦労した末に何とか就職できたのは良かったものの、入社数日後には社員がネットで実名検索をしたことをきっかけに事実が発覚。
事実確認をされた上、「懲戒処分事由にはならないが、このまま社に置いておくわけにはいかない」と自主退職に追い込まれてしまいました。
実例②匿名のタレコミがあって自主退職
状況 |
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結果 | 自主退職 |
2例目は、入社から数年経った後に懲戒解雇が発覚したケースです。
この方はかつて刑事事件で逮捕・有罪判決を受けたことがありましたが、だいぶ時間も経っていたため、当時の会社には特に言わずに入社しました。
何事もなく活躍していましたが、突然過去の犯歴を暴露する匿名の情報提供が会社のメールに届いたそうです。
いったい誰がそんなことをしたのか当人も分からなかったそうですが、結果的には会社から自主退職を勧められ、転職されました。
実例③入社直前に退職証明書を求められてピンチに
状況 |
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結果 | 退職理由が詳しく書かれておらず、そのまま入社 |
3例目は、諭旨解雇を隠して就活し内定した方のケースです。
入社直前に退職証明書の提出を求められて困ったという相談でした。
ただ不幸中の幸いで、前職から退職証明書を取り寄せたところ、たまたま退職理由が具体的に書かれていませんでした。
結果的には新しい会社から不備を指摘されることはなく、諭旨解雇もバレずにそのまま入社しました。
懲戒解雇された人の転職活動の実態
懲戒解雇された方の就職・転職活動の実態について見ていきます。
ネガティブな情報を自ら明かしての就職活動になるので、簡単にはいきません。
懲戒解雇された人間の末路にもあるとおり、就活中に冷たい言葉を投げかけられたという方もいます。
それでも、YOTSUBAでは会社から事実を受け入れてもらった上で採用されている方を大勢支援してきました。
面接の場で自ら不利な情報を伝えることで、逆に面接官から「誠実な人だ」という評価を得られることもあります。
懲戒解雇されたからと言って、人生に絶望する必要は一切ありません。
懲戒解雇がバレない方法を探すのではなく、きちんと打ち明けた上で納得して採用してくれる会社を目指すことをおすすめします。
まとめ:懲戒解雇は隠さずに転職しよう
懲戒解雇がバレるケースについて紹介してきました。
最近は中途採用時に身辺調査をする企業も増えてきており、第三者によるタレコミやSNSによる書き込みなど、思わぬところから懲戒解雇の情報が漏れてしまう可能性も考えられます。
仮に懲戒解雇を隠して入社できたとしても、大きなリスクを背負い続けることになります。
懲戒解雇からの再就職は簡単ではありませんが、決して不可能ではありません。
\“ワケアリ転職“専門キャリア相談サービス/
⇒YOTSUBA(よつば)公式サイト
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