あなた- 懲戒解雇された場合の離職票には何が書かれるの…?
- 転職先に離職票から懲戒解雇されたことがバレる?
会社を退職する際に交付される離職票について、特に懲戒解雇になったケースを想定して様々な疑問を解決していきます。
離職票はハローワークでの失業手当(雇用保険)の申請に必要な書類です。懲戒解雇であっても必ず受け取るようにしましょう。
一方で懲戒解雇された立場としては、離職票の記載内容、特に離職理由がどう書かれるかが気になりますよね。
懲戒解雇となった場合、離職票には「重責解雇」と記載されます。しかし離職票はあくまでハローワークに提出するもので、企業に提出することはありません。
したがって一般的に離職票から転職先に懲戒解雇が知られることは考えにくいと言えます。
記事内で詳しく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
★この記事の要点★
- 離職票には、退職前の賃金や離職理由が記載される
- 懲戒解雇されると、離職票の離職理由として「重責解雇」の欄にチェックが入ることが多い
- 離職票はハローワークで失業手当(雇用保険)の申請する際に必要
- 再就職などの際に、転職先に離職票を提出する必要はない




離職票とは?


離職票(正式名称:雇用保険被保険者離職票)とは、会社を退職した際に、退職者が雇用保険の失業給付(失業手当)を受給するためにハローワークへ提出する必須の公的書類です。
退職して雇用保険から外れた離職者に対し、管轄しているハローワークが会社を通じて交付します。
失業手当の振込先金融機関を指定・登録する「離職票―1」と、氏名、離職理由、退職前半年間の賃金支払い状況などが記された「離職票―2」の2種類があります。
離職票の発行手続きは、退職者本人ではなく会社側が行います。会社が「離職証明書」を作成してハローワークに提出します。その後、内容を確認したハローワークから会社宛てに離職票が発行され、最終的に会社から退職者の元へと郵送されます。
ハローワークで失業手当の受給手続きを行うのに必要不可欠な書類であるため、厚生労働省は会社に対し交付した離職票は「直ちに」離職者本人に交付するよう求めています。
参考:厚生労働省「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」
会社都合退職と自己都合退職の違い
離職票の記載事項の中でも、失業手当の申請時に重要視されるのが「離職理由」です。
大きく分けて「会社都合退職」と「自己都合退職」がありますが、どちらに分類されるかで失業保険の待遇が変わってきます。
| 会社都合退職 | 自己都合退職 | |
| 主な理由 | 解雇、倒産、希望退職など | 結婚・子育て、転職、病気療養など |
| 離職票の記載 | 「解雇」「退職勧奨」などの欄にチェックが入る | 「職場における事情」「妊娠、出産、休業」といった「労働者の判断によるもの」の欄にチェックが入る |
| 失業手当の受給開始時期 | 7日間の待機期間終了後、すぐに支給される | 7日間の待機期間+原則1~2ヶ月の給付制限 |
| 失業手当の受給期間 (雇用保険の加入期間で変動) |
90~330日 | 90~150日 |
会社都合退職は、倒産やリストラ、普通解雇など、労働者に非がない状態で職を失うケースです。失業保険を申請してから需給が開始されるまで一定の「待期期間」がありますが、会社都合退職であれば7日間の待機期間後すぐに受給が開始され、給付日数も手厚くなります。
一方、自己都合退職は、転職や結婚、介護、あるいは「一身上の都合」など、労働者の意思で辞めるケースです。7日間の待機期間に加え、給付制限期間が設けられるため、その間の失業手当は1円も受給できません。
懲戒解雇の場合の離職票の記載内容


では、懲戒解雇となった場合、離職票にはどのように記載されるのでしょうか。
離職理由には「重責解雇」と書かれる
懲戒解雇は離職の原因が労働者側の重大な過失にあるとされます。
したがって、離職票の離職理由欄には「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」という項目にチェックが入るケースがほとんどです。
そして、重責解雇に該当するのは主に次のようなケースと定められています。
- 刑法に規定する犯罪又は行政罰の対象となる行為
- 故意又は重過失により事業所の設備又は器具を破壊した
- 故意又は重過失によって事業所の信用を失墜せしめ、又は損害を与えた
- 事業所の機密を漏らした
- 就業規則等に対する違反
離職票にある離職理由の項目には、会社担当者がチェックを入れる「事業主記入欄」(左側)と、退職者本人が書く「離職者記入欄」(右側)あります。
そして、「事業者からの働きかけによるもの」として、「解雇(重責解雇を除く)」と「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」などが設けられています。



上記のイメージ画像では、会社担当者が「重責解雇」欄にチェックを入れています。
具体的事情欄には、社内規定のどの条項に違反するのか、どのような行為(例:入社時の経歴詐称、刑事手続きで有罪が確定、重大なハラスメント)があったのかが簡潔に記されます。
【懲戒解雇】離職票の記載内容による影響


懲戒解雇となり離職票に「重責解雇」と記載されると、失業手当の受給開始や給付期間、転職活動に大きな影響が出ます。
★離職票に「重責解雇」と記載された時の影響
| 失業保険の受給開始時期 | 7日間の待機期間に加え、3ヶ月の給付制限がつく。 |
| 失業保険の給付日数(雇用保険の加入期間で変動) | 自己都合退職と同じ90〜150日になり、会社都合と比べて大幅に少なくなる |
| 退職金の支払い | 会社の規定によるが、多くの場合全額不支給または一部減額 |
失業保険(雇用保険)への影響
重責解雇となると、退職後の経済的なセーフティネットである失業保険の受給条件が不利になります。
失業保険の申請後7日間の待機期間に加え、さらに3ヶ月の給付制限が適用されることになります。
詳しくは、懲戒解雇された時の失業保険の記事を参考にしてください。


再就職・転職への影響
結論から言うと、再就職先の企業に離職票を提出する義務はありません。なぜなら、あくまで離職票はハローワークに申請する際に必要な書類という位置づけだからです。
とはいえ、まれに離職票の提出を求められることもあります。
その際、「重責解雇」の欄にチェックが記載されていると、解雇理由が上述した「労働者の責めに帰すべき重大な理由」であることが明らかになってしまいます。


懲戒解雇の離職票についてよくある質問
離職票はいつもらえますか?
目安としては、退職から10日〜2週間程度で手元に届くのが一般的です。
会社は労働者が離職した日の翌日から10日以内に、ハローワークへ必要な書類を提出する必要があります。
参考:雇用保険法第7条
離職票が届かないのですが…
もし2週間を過ぎても届かない場合は、会社の担当部署に相談しましょう。
会社は退職者が希望した場合、離職票を必ず交付する義務があります。
もしも会社が応じてくれない場合は、管轄のハローワークに直接相談してください。
離職票を転職先に提出することはありますか?
原則、離職票そのものを転職先に提出することはありません。
離職票はあくまで失業手当の給付を受けるためにハローワークへ提出する書類です。
そのため、一般的には離職票から転職先に離職理由を直接知られることはありません。
離職票の離職理由を変えてもらうことはできますか?
離職理由が「重責解雇」に該当するかどうかは、最終的にハローワークが認定する必要があります。
懲戒解雇を巡って、会社側と従業員側とで認識が食い違う場合は「事業主が記入した離職理由に『異議有り』に◯を付けます。
そうすると、ハローワークが内容を精査して、重責解雇にあたるかどうかを判断する流れとなります。
まとめ:懲戒解雇の離職票の内容は要確認!


- 懲戒解雇されると離職票の離職理由に「重責解雇」の欄にチェックが入る
- 離職票はハローワークで失業手当の申請する際に必要不可欠
- 再就職活動時、転職先に離職票を提出する必要はない
離職票は過去を記録する書類ですが、失業手当受給の根拠となる「次のステップに進むための重要な書類」でもあります。
手元に届いた際は、内容をしっかりと確認するようにしましょう。











